ポケットの恋
病状は大きな悪化もせず、好転もしない。それでも少しずつ悪化し続けているのは確かだ。
今日ベッドに体を起こしていたのだって相当な無理をしている。
もしかしたら、行く前の電話がいけなかったかも…
水道へ向かう道すがら、ふと思った。
最近外国にいる父からの仕送りも少し心許なくなってきていて、バイトを一つ増やした。
それでパンク気味なのは事実だ。そのことは伝えていないのに、幸日に大丈夫かと聞かれた位だから電話越しに母にも伝わってしまったかもしれない。
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