ポケットの恋
結局昼ご飯は女子大生とは思えない、渋めの小さな定食屋でとることになった。
蕎麦もご飯も食べれるというのがその理由だ。
入ってわいわい言いながら注文を済ませると、ようやく一息着く。周りには、年齢層高めの夫婦が3組程いた。
どちらかと言えば閑散としているが、テレビが流れているせいで個々の会話はうまく掻き消されている。
幸日がコップの水に口をつけると、不意に真実が言った。
「そういえば、南部さん告白されたらしいね、大学の準ミス?だかに」
思わず咳込む。
「ちょ…あんた大丈夫?!」真実が目を剥いた。
その様子は、幸日が知っているかという探りだとは思えなかった。多分、何気なく聞いた噂を口にしたのだろう。
「そ…なんだ」
なるべく平静を装って答える。
真実は幸日が挙動不審なのには気づかなかったようだ。
「それで…それで南部さんは付き合うことにしたのかな」
これも、何となく質問してみたふりを装った。
「いや、はっきり断ったらしいよ?なんか宮川さんすごい泣いてたみたいだしねー」
「そうなんだ…。宮川さんきれいなのにね」
ちらりとみた真実の、当然といった顔にほっとしたのは、真実にも内緒だ。
蕎麦もご飯も食べれるというのがその理由だ。
入ってわいわい言いながら注文を済ませると、ようやく一息着く。周りには、年齢層高めの夫婦が3組程いた。
どちらかと言えば閑散としているが、テレビが流れているせいで個々の会話はうまく掻き消されている。
幸日がコップの水に口をつけると、不意に真実が言った。
「そういえば、南部さん告白されたらしいね、大学の準ミス?だかに」
思わず咳込む。
「ちょ…あんた大丈夫?!」真実が目を剥いた。
その様子は、幸日が知っているかという探りだとは思えなかった。多分、何気なく聞いた噂を口にしたのだろう。
「そ…なんだ」
なるべく平静を装って答える。
真実は幸日が挙動不審なのには気づかなかったようだ。
「それで…それで南部さんは付き合うことにしたのかな」
これも、何となく質問してみたふりを装った。
「いや、はっきり断ったらしいよ?なんか宮川さんすごい泣いてたみたいだしねー」
「そうなんだ…。宮川さんきれいなのにね」
ちらりとみた真実の、当然といった顔にほっとしたのは、真実にも内緒だ。