ポケットの恋
それと同時に、小さな怒りが込み上げてくる。
泣き虫なんて、あまりにもひどい。
確かに泣かないわけじゃないけど、言われるほど泣き虫じゃない、と自分では思っている。
あの一番でっかいやつが、いつも良行のまわりにいるやつだ。
酷いこと言うくせに、絶対良行から離れない。
そして、そのでっかいやつが、おいうちをかけるように声を張り上げた。
「どうせお前泣き虫のこと好きなんだろ」
「だからやめろ。泣き虫っての」これは良行の声だ。うんざりしたようにため息をまぜている。
「好きなんだろ!お前キモいぞ。ロリコンじゃねーか」
ばっと良行の顔が赤くなったのが見えた。
「は!?」
「まじかよ!ロリコンかよ!」
不意に違う声がまじって、すぐに一緒になった。
「ローリーコン!ローリーコン!ローリーコン!」
「やめろ!」
「好きなんだろ!早く大好きな真実ちゃんとこ行け、ロリコン!」
ロリコンがなんだか知らないけど、良行をいじめないで。
真実が意を決したのと、古谷が声を張り上げたのは同時だった。
「あんな泣き虫好きじゃねーよ!!」
大きく踏み出した足は、止める術もなくサッシを踏んだ。
大きな音が教室中に響いた。
泣き虫なんて、あまりにもひどい。
確かに泣かないわけじゃないけど、言われるほど泣き虫じゃない、と自分では思っている。
あの一番でっかいやつが、いつも良行のまわりにいるやつだ。
酷いこと言うくせに、絶対良行から離れない。
そして、そのでっかいやつが、おいうちをかけるように声を張り上げた。
「どうせお前泣き虫のこと好きなんだろ」
「だからやめろ。泣き虫っての」これは良行の声だ。うんざりしたようにため息をまぜている。
「好きなんだろ!お前キモいぞ。ロリコンじゃねーか」
ばっと良行の顔が赤くなったのが見えた。
「は!?」
「まじかよ!ロリコンかよ!」
不意に違う声がまじって、すぐに一緒になった。
「ローリーコン!ローリーコン!ローリーコン!」
「やめろ!」
「好きなんだろ!早く大好きな真実ちゃんとこ行け、ロリコン!」
ロリコンがなんだか知らないけど、良行をいじめないで。
真実が意を決したのと、古谷が声を張り上げたのは同時だった。
「あんな泣き虫好きじゃねーよ!!」
大きく踏み出した足は、止める術もなくサッシを踏んだ。
大きな音が教室中に響いた。