ポケットの恋
18
どうしよう、どうしよう
落ち着かなきゃいけないのに、頭の中でその言葉がぐるぐる回っている。
他の言葉が入り込む余裕なんか無かった。
どうしよう。
意味もなく、また頭のなかで繰り返す。
一度振り切ったと思っていた足音がまた大きく響いて、幸日はびくりと肩を震わせた。
幸日が、出来るだけ一人で出歩くなという真実の言い付けを破って外に出たのは、8時をちょうど回った頃だった。
気付いたら、提出しなくてはいけない課題の締め切りが近く、焦って大学の図書館に飛び込んだ。
講座の担当は、欠席にも成績にも甘いわりに、提出期限だけには異常に厳しいことで有名な先生だ。
夢中で仕上げて、ふと気が付くと、もう外は真っ暗だった。
真実の言葉が頭を過ぎらなかったわけではない。
ただ、住んでいるアパートまでそこまで遠くもないことが、幸日の背中を押した。
家まで、何時間も歩くわけではない。
それに、真実は今バイト中だ。
そう思いながら、大学の敷地から外に出た。
落ち着かなきゃいけないのに、頭の中でその言葉がぐるぐる回っている。
他の言葉が入り込む余裕なんか無かった。
どうしよう。
意味もなく、また頭のなかで繰り返す。
一度振り切ったと思っていた足音がまた大きく響いて、幸日はびくりと肩を震わせた。
幸日が、出来るだけ一人で出歩くなという真実の言い付けを破って外に出たのは、8時をちょうど回った頃だった。
気付いたら、提出しなくてはいけない課題の締め切りが近く、焦って大学の図書館に飛び込んだ。
講座の担当は、欠席にも成績にも甘いわりに、提出期限だけには異常に厳しいことで有名な先生だ。
夢中で仕上げて、ふと気が付くと、もう外は真っ暗だった。
真実の言葉が頭を過ぎらなかったわけではない。
ただ、住んでいるアパートまでそこまで遠くもないことが、幸日の背中を押した。
家まで、何時間も歩くわけではない。
それに、真実は今バイト中だ。
そう思いながら、大学の敷地から外に出た。