ポケットの恋
あたし、本当なら気にする立場じゃないはずなのに。
「楽しくおしゃべりしたいだけ」なら、そんなことにもやもやしなくていいはずなのに。
やっぱり、あたしは、
「メールとか平気?」
核心に触れようとした思考は、南部の一言に遮られた。
「あっ、はい」
慌てて答えながら、内心ホッとする。
多分それは、まだ核心に触れるのは先伸ばして良いことに向けられたものだ。
あたし、ホントに馬鹿みたい。
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