ポケットの恋
「どうしたの幸日ちゃん…俺なんかした?」
不安げな顔をした南部が覗き込んでくる。
「……ずるいです」
「え?」
真顔で問い掛けてくる南部にいたたまれなくなって、なんでもないです!とそっぽを向いた。
「えぇ?!」
南部が拍子抜けしたような声をあげる。
それが妙におかしくて笑うと、南部は複雑そうな表情を浮かべた。
講義室の前まで行くと、所在なげに佇んでいる真実が見えて、幸日は思わず手を振った。
少しして目の合った真実が満面の笑顔になる。
こっちから行くまでもなく真実は駆け寄ってくる。
そしてなおざりにならない程度に素早く南部に頭を下げてから幸日に向き直った。
「幸日おはよう」
馴染んだ笑顔に幸日もいつも通りに言葉を返す。
隣にいた南部は二人を交互に見て微笑むと幸日にじゃあまたと声を掛けた。
不安げな顔をした南部が覗き込んでくる。
「……ずるいです」
「え?」
真顔で問い掛けてくる南部にいたたまれなくなって、なんでもないです!とそっぽを向いた。
「えぇ?!」
南部が拍子抜けしたような声をあげる。
それが妙におかしくて笑うと、南部は複雑そうな表情を浮かべた。
講義室の前まで行くと、所在なげに佇んでいる真実が見えて、幸日は思わず手を振った。
少しして目の合った真実が満面の笑顔になる。
こっちから行くまでもなく真実は駆け寄ってくる。
そしてなおざりにならない程度に素早く南部に頭を下げてから幸日に向き直った。
「幸日おはよう」
馴染んだ笑顔に幸日もいつも通りに言葉を返す。
隣にいた南部は二人を交互に見て微笑むと幸日にじゃあまたと声を掛けた。