ポケットの恋
「いきなりだけど…秋田さん、幸日ちゃんの家泊まったらどうかな…とりあえずストーカーのことがなんとかなるまで」
時間が無いことも手伝って、単刀直入に切り出した。
「幸日ちゃんも秋田さんいた方がいいと思うし…やっぱり遅い時間に部屋に一人とか怖いと思うんだ」
「…思い付かなかった…それ、いいかもしんないです」
口許に手をやった真実は、下の方に視線を巡らせる。
「だよね?幸日ちゃんの都合も、秋田さんの都合もあるけど…」
南部はいいながら真実を窺った。何か言いたいことがあるように思える。
「あたしは全然大丈夫です」
そう手を振った後、やっぱり真実は、少し言いづらそうに口を開いた。
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