ポケットの恋
荷物を床に下ろしてから、真実は幸日の方を振り向いた。
「早速だけど今日から泊まるからね。光熱費と水道費と食費は割り勘。晩御飯は、帰ってくるの幸日のが早いからお願い。そのかわり朝ご飯と掃除はあたしがやるから。それでいい?」
真実の勢いに気圧されて、幸日はこっくりと頷いた。
その幸日を見た真実は、不満気に目を細める。
「何よ…嫌なの?」
その言葉は、口ぶりに反してやたらに寂し気に響いた。
幸日はそれを聞いて「わー!違う違う!!」と大仰な身振りで否定した。
「なぁにが違うのよ」
真実は胡乱気な目線を幸日に送る。未成年の筈なのに、酒に酔ったようにしか見えない。
「だっ…だから!真実ちゃん…テンション高め…?」
尻つぼみに言って上目で真実を窺う。
真実は鼻を鳴らすと幸日の頬をいきなり引っ張った。
「ぉわあ!何するの真実ちゃんっ」幸日は驚いて頬を押さえて後ろにのく。
真実はふんっとそっぽを向いた。そのまま持参した枕に顔をうずめる。やがてくぐもった声が聞こえ出した。
「早速だけど今日から泊まるからね。光熱費と水道費と食費は割り勘。晩御飯は、帰ってくるの幸日のが早いからお願い。そのかわり朝ご飯と掃除はあたしがやるから。それでいい?」
真実の勢いに気圧されて、幸日はこっくりと頷いた。
その幸日を見た真実は、不満気に目を細める。
「何よ…嫌なの?」
その言葉は、口ぶりに反してやたらに寂し気に響いた。
幸日はそれを聞いて「わー!違う違う!!」と大仰な身振りで否定した。
「なぁにが違うのよ」
真実は胡乱気な目線を幸日に送る。未成年の筈なのに、酒に酔ったようにしか見えない。
「だっ…だから!真実ちゃん…テンション高め…?」
尻つぼみに言って上目で真実を窺う。
真実は鼻を鳴らすと幸日の頬をいきなり引っ張った。
「ぉわあ!何するの真実ちゃんっ」幸日は驚いて頬を押さえて後ろにのく。
真実はふんっとそっぽを向いた。そのまま持参した枕に顔をうずめる。やがてくぐもった声が聞こえ出した。