ポケットの恋
しばらくして、周りが若干暗くなったような気がして顔を上げる。そこに今入って来た女性が立っていた。
険しい目つきで、睨んでいるようにしか見えない。
「ど…うかしました?」
二、三回瞬きをしてから尋ねても彼女はこっちを睨みつけたままだ。
仕方がないので視線をそらしたら、震えた声で彼女が何か言ったのが聞こえた。
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