ポケットの恋
「も…もとこが南部君にふられたのも、あんたの友達のせいじゃない!」
「…何言ってんの?由利ちゃん」真実が思ったのと同じことを、南部が口にした。
その名前には聞き覚えがある。
確か1番最近南部さんに告白した準ミスの人だ。
由利は今度は南部には目をやらなかった。
「すっとぼけてんじゃないわよ!!なんであたしだけ痛い思いしなきゃいけないの?あんたも戸田も調子乗ってんじゃないわよ!」
そう叩きつけられて、反射で体が竦む。
まだ言葉が出なくて由利をただ見つめていると、やがて由利は小さく鼻を鳴らした。
「何いい子ちゃんぶってんの?」嘲るような声で言ったが最後、由利は来た時と同じ猛烈な勢いで店を出て行った。
それを二人して唖然とした表情で見送って、やがて真実が不機嫌そうに南部に向き直った。
微妙な間合いで差し出されていたお茶とシャーペンのしんをひったくるようにして受け取る。
それを袋に詰めながら、真実はぼそりとつぶやいた。
「今のと知り合いですか」
南部は、神妙な顔で頷いた。
「豊内由利。古谷の…確か元カノ」
「…何言ってんの?由利ちゃん」真実が思ったのと同じことを、南部が口にした。
その名前には聞き覚えがある。
確か1番最近南部さんに告白した準ミスの人だ。
由利は今度は南部には目をやらなかった。
「すっとぼけてんじゃないわよ!!なんであたしだけ痛い思いしなきゃいけないの?あんたも戸田も調子乗ってんじゃないわよ!」
そう叩きつけられて、反射で体が竦む。
まだ言葉が出なくて由利をただ見つめていると、やがて由利は小さく鼻を鳴らした。
「何いい子ちゃんぶってんの?」嘲るような声で言ったが最後、由利は来た時と同じ猛烈な勢いで店を出て行った。
それを二人して唖然とした表情で見送って、やがて真実が不機嫌そうに南部に向き直った。
微妙な間合いで差し出されていたお茶とシャーペンのしんをひったくるようにして受け取る。
それを袋に詰めながら、真実はぼそりとつぶやいた。
「今のと知り合いですか」
南部は、神妙な顔で頷いた。
「豊内由利。古谷の…確か元カノ」