ポケットの恋

「信じらんない!!原田!?何あいつ意味わかんない死ね!!しかも常習犯！前からいい加減なやつだったけどここまでとは！この前なんかよくもしゃあしゃあと声かけてこれたもんだな！あの馬鹿！」
言葉も選ばずに怒鳴り散らす真実の横で、古谷が相槌を打つようにうなずく。
そうしながら口の前で人差し指を立てた。
「秋田、気持ちはわかるけど店に迷惑かかるから」
その言葉に、真実はぎろりと古谷を睨み付ける。
「あんた本当に幸日のこと考えてんの?!幸日がどんだけ怖い思いしたかわかってる?!」
一息の反論は、語調に反してさっきよりも音量が小さかった。
一応古谷の忠告は聞き入れたらしい。
「大丈夫だよ真実ちゃん！雅也君はちゃんと警察に…」
「雅也君とか呼ぶのやめなさい！」
幸日が言い切る前に思い切り叱責すると、真実は大きくため息をついた。
「ちゃんとあたしが幸日の傍についてれば…」