ポケットの恋
「そうだな…じゃあ今夜は祝杯!酒盛りで朝まで!発泡酒じゃなくてビールね」
「でもあたしと幸日、お酒飲めないんだけど…未成年なのわかってる?」
古谷は大袈裟に驚いたような顔になる。
「秋田、普通に俺にタメ口っていうか、むしろ上からくる感じだから忘れてた」
「……すいませんでした、古谷さん」
「いやぁそれもそれで淋しい」
「なんなのよあんた!」
真実が目をつりあげたところで、幸日がのほほんと声をあげた。
「ならあたしと真実ちゃんはジュースで…」
「いや」
それを制して、南部が悪戯そうに笑った。
「俺の家に、こどもビールあるけど。しかも、瓶で4本」
不意をつかれたような古谷が、思い当たったらしく一緒にニヤッと笑った。
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