ポケットの恋
南部が涙目で睨んだ所で、古谷はようやく溜飲をさげた。
ひとまず腹いせはすんだらしく、何もなかったように話を始める。
「で?なんで言ってくんなかった訳?」
反抗心から答えたくない衝動に駆られたが、後のことを考えてやめた。
「…だっておまえ聞かなかっただろ」
一瞬の沈黙。
「はぁ?」
古谷の顔が思い切り歪んだ。
またくだらない"腹いせ"が始まりそうで慌てて言葉を次ぐ。
「違う!だから!自分からいきなり返事来たとか言い出すのは変だろって!タイミング掴めなかったんだよ!そういう話にならなかったし!」
「…まあねぇ…じゃ、とりあえずOKだったの?」
「……まぁ」
古谷はあらあらと微笑んだ。
「そりゃおめでたいね」
「あぁ…」
何となく気恥ずかしくなって、南部はぶっきらぼうに返す。
「おめでたい!実におめでたい!だからビール買ってきて。秋仁の奢りで!」
祝福してくれるのかと思ったら、とんでもないおまけがついて来た。
「なんでだよ!自分で買ってこい!」
「いいじゃん。めでたいんだから。けち臭いこと言わずに買ってきなよ」
ひとまず腹いせはすんだらしく、何もなかったように話を始める。
「で?なんで言ってくんなかった訳?」
反抗心から答えたくない衝動に駆られたが、後のことを考えてやめた。
「…だっておまえ聞かなかっただろ」
一瞬の沈黙。
「はぁ?」
古谷の顔が思い切り歪んだ。
またくだらない"腹いせ"が始まりそうで慌てて言葉を次ぐ。
「違う!だから!自分からいきなり返事来たとか言い出すのは変だろって!タイミング掴めなかったんだよ!そういう話にならなかったし!」
「…まあねぇ…じゃ、とりあえずOKだったの?」
「……まぁ」
古谷はあらあらと微笑んだ。
「そりゃおめでたいね」
「あぁ…」
何となく気恥ずかしくなって、南部はぶっきらぼうに返す。
「おめでたい!実におめでたい!だからビール買ってきて。秋仁の奢りで!」
祝福してくれるのかと思ったら、とんでもないおまけがついて来た。
「なんでだよ!自分で買ってこい!」
「いいじゃん。めでたいんだから。けち臭いこと言わずに買ってきなよ」