ポケットの恋
「呼び方です。南部さん、ずっと戸田さんって呼んでるでしょう?名字にさん付けだと、妙に、なんて言うか…緊張しちゃって…」
幸日は赤くなって、落ち着かないように両手をくねくねさせた。
それがおかしくて、南部は吹き出しそうになるのを必死に抑える。
「わかった。何て呼べばいい?」「えっと…戸田、とか。よし君と一緒で…」
よし君と一緒で、が妙にひっかかって、南部はきっぱりと首を横に振った。
「それはだめ」
古谷と一緒のポジションに収まっていられるか。
幸日は、まさか断られると思わなかったのか、南部よりも激しく目をしばたかせた。
「幸日…ちゃんでいい?」
南部が提案すると、幸日は赤くなってこっくりと頷いた。
そんなことだったら、早く言えばいいのに。
幸日のお願いをあっさりと聞き入れたのは、当然、゛戸田さん゛より゛幸日ちゃん゛の方が距離が近く感じたからだ。
「この後」の件で沈んだ気分は、完全に取り戻した。
南部が心の中で浮かれていると、幸日が「え?」と声を上げて、ピタリと足を止めた。
「幸日ちゃん?」
「あの…もしかしてさっき言ってたカフェってあれ…ですか?」
幸日は赤くなって、落ち着かないように両手をくねくねさせた。
それがおかしくて、南部は吹き出しそうになるのを必死に抑える。
「わかった。何て呼べばいい?」「えっと…戸田、とか。よし君と一緒で…」
よし君と一緒で、が妙にひっかかって、南部はきっぱりと首を横に振った。
「それはだめ」
古谷と一緒のポジションに収まっていられるか。
幸日は、まさか断られると思わなかったのか、南部よりも激しく目をしばたかせた。
「幸日…ちゃんでいい?」
南部が提案すると、幸日は赤くなってこっくりと頷いた。
そんなことだったら、早く言えばいいのに。
幸日のお願いをあっさりと聞き入れたのは、当然、゛戸田さん゛より゛幸日ちゃん゛の方が距離が近く感じたからだ。
「この後」の件で沈んだ気分は、完全に取り戻した。
南部が心の中で浮かれていると、幸日が「え?」と声を上げて、ピタリと足を止めた。
「幸日ちゃん?」
「あの…もしかしてさっき言ってたカフェってあれ…ですか?」