ポケットの恋
声に反応してか、南部がわずかに身じろぎをした。
三人で同時に固まる。
南部が起きなかったのを確認して、体勢を崩した。
「つか…なんで古谷は幸日呼んだのよ。良い迷惑」
「早く良くなるかなって。俺秋仁のこと心配してんだよ。秋仁ってねぇ、普通骨折るだろって状況でも全然怪我しないの。割に菌には弱くて、風邪は結構よく引くんだよ。しかも微熱とかじゃなくて9度は必ず越す。可哀相でしょ?いい思いさせてあげたいじゃない」「意味がわからない。あんたが看病してあけなさいよ」
鼻息も荒く言った真実が、幸日に向き直る。
「あたしはね、幸日が南部さんが風邪引いたって…!どうしたらいい!?ってまるでじいさん危篤みたいに連絡してきたからついてきてあげたのよ!?それを真実ちゃんがついてきたんじゃんは無いわ。無い無い」
幸日の台詞は妙にかわいらしい声で言う。
「えぇ!?真実ちゃんさっきと言ってること違くない!?」
最早ひそひそ声を放棄している。古谷は古谷で一人ツボにはまっていた。
「っく…じいさん危篤じいさん危篤…」
呪文のように繰り返してはくっくと笑っている。
三人で同時に固まる。
南部が起きなかったのを確認して、体勢を崩した。
「つか…なんで古谷は幸日呼んだのよ。良い迷惑」
「早く良くなるかなって。俺秋仁のこと心配してんだよ。秋仁ってねぇ、普通骨折るだろって状況でも全然怪我しないの。割に菌には弱くて、風邪は結構よく引くんだよ。しかも微熱とかじゃなくて9度は必ず越す。可哀相でしょ?いい思いさせてあげたいじゃない」「意味がわからない。あんたが看病してあけなさいよ」
鼻息も荒く言った真実が、幸日に向き直る。
「あたしはね、幸日が南部さんが風邪引いたって…!どうしたらいい!?ってまるでじいさん危篤みたいに連絡してきたからついてきてあげたのよ!?それを真実ちゃんがついてきたんじゃんは無いわ。無い無い」
幸日の台詞は妙にかわいらしい声で言う。
「えぇ!?真実ちゃんさっきと言ってること違くない!?」
最早ひそひそ声を放棄している。古谷は古谷で一人ツボにはまっていた。
「っく…じいさん危篤じいさん危篤…」
呪文のように繰り返してはくっくと笑っている。