ポケットの恋
「じゃあやっぱりデートだよなぁ…遊園地とかでキャーキャーいえば仲良くなれんじゃね。4人で遊ぼうよ」
それを言った途端、真実は古谷を睨んだ。
「なんで"4人で"になるのよ!」
「いやあ、だって二人っきりだと進展しないと思うんだよね…いやがおうでも告白しなきゃいけない場面作ってやるとかしなきゃさぁ」
古谷の言葉に真実は首を傾げる。
「中学生じゃないんだし、告白なんて放っといてもしてるんじゃない?」
そこで古谷は爆笑した。
「な…何よ」
「秋田鋭い!そうなんだよ!あいつ中学生かって話なんだよ!あ、秋仁ね」
古谷はこの前の"お礼"の顛末を話し出す。
聞き終わった真実はあんぐりと口を開けた。
「じゃあ…あの二人まだくっついてないの?」
半信半疑といった様子で尋ねる。
「そ。だから今日二人っきりにしてやったんだってー。ま、風邪引きに何かできるとは思わないけどね。何せ中学生だし。」
「あ、そう…」
真実は呆けたように呟いた。
「よし秋田!俺らであいつらくっつけよう!ねっ」
古谷はぶらんこから降りて真実の前に立つ。
そのまま下から顔を覗き込むようにして言った。
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