夜  話  
北天の青い星。


あの輝く星を。


彼女の瞳と同じ色だというあの星を護りながら、語らいながら、ゲンはこの先の長い時を過ごして行くのでしょう。


そしてそう決めてしまったゲンの事を、皎はわたしに語りたかったのでしょう。


最後に皎が囁いていった、
『俺はお前の方が良い香りだと思うけどな。』
と、いう言葉を胸の奥でじんわりと甘く噛み締めながら、わたしは幻想的な風景を眺めて窓辺に立ち続けていたのでした。


     春待月 了
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