夜  話  
夕刻までずっと降り続いていた雨は、もう止んでいましたが、それらがもたらした雨粒の姿はそこかしこに残っていて。


登った月の光にその水滴が呼応して煌めく景色を醸し出している様子は、宝石で描き出した風景画のように、わたしの心の中にキラキラと煌めく感動を与えてくれるのでした。


そのあまりにも美しい光景に、わたしはまばたきすることも忘れそうな程に心を奪われ、ただずっと。


立ち尽くしていたのでした。
< 67 / 414 >

この作品をシェア

pagetop