夜  話  
さや、と流れる風に葉ずれの音を響かせながら、笹の枝は願いを天に届けんとして、その腕を精一杯に伸ばしています。


深遠を思わせる藍色の空には、薄い雲が時折姿を現わす外に何も。


星達の輝きを邪魔するものはありませんでした。


いつもとは違って、月の光だけでなく、星達からの光をも楽しんでいたわたしの耳に、最近ようやく馴染み始めた玲朧な声が聞こえてきました。


「星達の使いにまで、やっかいかける気か?」


少し、意地悪な響きの口調で発っせられた、その声の持ち主は。


わたしの視線の先に、突然に浮かんでいました。
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