クリスマス大・戦争!!
「すいません」


イツキ様の声が、降ってきた。


「俺、ずっと好きなやつがいるんです。
そいつは…… バカで、強がりで、泣き虫なやつなんです。

だから…… 白鳥さんの気持ちには答えられません」


……… ムリって事ですわよね。


イツキ様には、好きな人がいらっしゃるのね。


前に出していた腕がゆっくり下がっていく。



「だから、本当にすいません」


背の高い、彼が低くて腰を曲げた。


頭を上げて下さい。
イツキ様が悪いんじゃないですわ。


わたくしの勝手な想いですもの。



「わたくしは、大丈夫ですわ」


「本当にスイマセン」


どうして……
アナタはわたくしを振ったのに、そんな丁寧なんですの?


わたくし、そんなんじゃ。


――― 諦めきれません。


「先程の彼女、待っていらっしゃるんじゃないですの?」


「ですね。
……… じゃあ、俺行くんで」






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