クリスマス大・戦争!!
――― 放課後。


もう、授業なんてほとんど耳に入ってこなくて苦労しましたわ。
教壇に登る先生なんて、誰一人思い出せません。


もう彼の事を考えると、胸がドキドキして苦しいの。


まさにこれが『恋』ですのね!


17年間、毎日女の子の中で生活してきたわたくしにはこの『ドキドキ』は初めて。




「松岡、駅へ向かって」


「かしこまりました」


まりさんを乗せて、わたくしたちは駅に向かう。


毎日、学校へは送り迎えが当たり前。


『お嬢様』なわたくしたちが道を歩くだなんて…… そんな危険なことは出来ませんわ。


そんなわたくしが『彼』に出会ったのは……


本当に偶然…… いや、違いますわ。


彼とわたくしは、あの時、運命的な出会いだったのですわ。


今でも目を閉じるだけで、鮮明に思い出すことができる、あの時……






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