クリスマス大・戦争!!
彼が改札の方に向かい出した。


もう、会うことは出来ない。
声を聞くことが出来ない。



「すいません!」


「……… ?」


イツキ様の後ろ姿に声を掛けてしまった。


もう一度、声を聞かせて下さい。



「このクッキー、もしよかったら食べてください!」


クッキーだけでもアナタに届けたい。
わたくしの想いは届かなくても、クッキーだけは。



「あー、クッキーですか」


「そうですわ。 20枚入りですの」


「すいません、クッキー苦手なんで受け取れません」


苦手、だったのですね。


わたくし…… そんなことも知りませんでしたわ。



「それじゃ」


「えぇ、ごきげんよう……」


イツキ様がどんどん小さくなっていく。


さっきまで目の前にいた、イツキ様はもう…… いない。


「ゆりあさん……」


「……… まりさん」





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