紺色のセーラー服
深いため息をついて瞼を閉じると、親友の椎花の言葉が浮かぶ。
――『課題やらないと、問題児クラスに入れられるんだからね!?』
問題児クラス…。
多分、ここのことだろう。
しかも女なんて一人もいない。
あたしは周りから、なぜ女がいるのか、とでも言いたげな顔で見られている。
――ガラガラ
『よし、集まったか?始めるぞ。』
五十代後半のハゲたおじさん先生が眼鏡を上げて、周りを見渡した。
やっぱりあたしと目が合う。
『今回の補習クラスは少なめだな。いいことだ。はい、それじゃあ号令。』
このクラスに号令をかける優等生なんぞ、一人もいないことぐらい先生だって分かっているだろうに。
『おい、内山。お前が唯一の女子だからな、号令はお前がやれ。いいな?』
…はっ!?
「はぁい」
これこそ男女差別だ…。
訴えるぞ、こいつ。
「気をつけ、令」