蛮暴武隷奴
頭目は組んだ脚を叩き、首に手をやり、それからおもむろに口を開いた。
「月を盗もうとした奴がいる」
「わお」
「「わお」じゃねえよバカヤロー。なんだその輝く瞳と不謹慎な笑顔は。もう一度地獄を見たいっつうのかてめえは」
「まあ、あれは、いくら俺でも二度見たいもんじゃないっすね」

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