蛮暴武隷奴
馴染みすぎて俺の庭のようにさえ思えてきた俺の竹藪。しかし、そこで具合の良い竹を物色しながら、俺はさわさわと不穏な気配を感じていた。
――竹が怯えている。
そんな埒もないことを思った瞬間、軽く澄んだ音が響き、続いて視界の片隅で、一本の竹がゆっくりと倒れた。
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