蛮暴武隷奴
俺は倒れた竹の方に歩いていった。眼前に構えた鉈の向こうに、長い髪を垂らした娘の姿が見えた。
娘は右手に、見慣れない形の剣を持っている。どうやらその剣で、竹を斬り倒してしまったようだ。
その斬り口に眼をやって、俺は驚いた。斜めに走ったその斬り口は、尋常な滑らかさではない。縁が朝日を浴びて輝いている。今すぐにでも実戦投入できそうな槍の穂先が完成していた。
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