蛮暴武隷奴
「おい」
俺は思わず、その怪しい娘に声をかけていた。
「今のは、その剣でやったのか」
「剣ではありません。刀です」
娘はその「刀」を鞘に納め、答えた。その速い動きを何とか見取って、俺はうなずいた。たしかにそれは、剣ではなかった。蝦夷の使う刀を連想させる腰の反り。しかし身幅は遥かに狭く、何とも言えない可憐さがあった。蛮刀にはとても見えない。
俺は思わず、その怪しい娘に声をかけていた。
「今のは、その剣でやったのか」
「剣ではありません。刀です」
娘はその「刀」を鞘に納め、答えた。その速い動きを何とか見取って、俺はうなずいた。たしかにそれは、剣ではなかった。蝦夷の使う刀を連想させる腰の反り。しかし身幅は遥かに狭く、何とも言えない可憐さがあった。蛮刀にはとても見えない。