ピュアー水浸しの恋ー
††††††††††††††††††††
高校二年の真夏。
「……え……」
耳を疑った。
目の前にいるYシャツを着くずした男子。
名前はなんて言ったんだったか。
チャラついた髪に見覚えがあった。
確か同じクラスの……
「なんて?」
信じがたくて聞き返した。
「付き合わない?」
ひどく軽い調子で、そいつは言ったものだから。
少しだけ苛ついて、
「付き合わない」
平坦な口調で突き返してやった。
なんでそうなるんだか。
まず、あたしあなたの名前も知りませんけど。
「ちぇー、やっぱダメかぁ」
予想してたとばかりに肩を竦められた。
「男に興味ねぇの?」
「男にも女にも興味ないの」
「なんで?」
「なんでも」
しつこい男子に苛ついていたら、遠くのほうから「杏奈(あんな)ー!」と呼ばれたので、その時ばかりは普段は煩わしさすら感じる声の主に内心感謝する。少しだけ。
「じゃ、友達、呼んでるから。」
しつこい男子をその場に残し、あたしは友人の元に向かった。
高校二年の真夏。
「……え……」
耳を疑った。
目の前にいるYシャツを着くずした男子。
名前はなんて言ったんだったか。
チャラついた髪に見覚えがあった。
確か同じクラスの……
「なんて?」
信じがたくて聞き返した。
「付き合わない?」
ひどく軽い調子で、そいつは言ったものだから。
少しだけ苛ついて、
「付き合わない」
平坦な口調で突き返してやった。
なんでそうなるんだか。
まず、あたしあなたの名前も知りませんけど。
「ちぇー、やっぱダメかぁ」
予想してたとばかりに肩を竦められた。
「男に興味ねぇの?」
「男にも女にも興味ないの」
「なんで?」
「なんでも」
しつこい男子に苛ついていたら、遠くのほうから「杏奈(あんな)ー!」と呼ばれたので、その時ばかりは普段は煩わしさすら感じる声の主に内心感謝する。少しだけ。
「じゃ、友達、呼んでるから。」
しつこい男子をその場に残し、あたしは友人の元に向かった。