The god of death





『ただいまーっ…と…』














誰も居ないのについ言ってしまう癖が抜けない。







部屋に上がって猫を降ろすとそわそわとした様子で辺りを見回し始めた。












『さ。手当てだよ』







とりあえず消毒と…包帯もした方がいい?




傷は深くはなさそうだけど。














みゃぁ






消毒液を嫌がる事もせず、その黒猫は私の腕の中でされるがままにしていた。















『…うん。これでいいかな?』












包帯を巻き終え、黒猫を抱き上げソファーに横たわる。







本当に今日は1日疲れた。












…私が見た人。




あの人は何だったんだろう。

















『…あ。お腹減ったかな?』






お皿に牛乳をつぎ、入り口に置く。








『お腹減ったら飲んでね?』














ソファーから動かないのを見るとお腹は減ってないんだろう。























『さっきの人…人じゃなかったのかな』















風貌と言い、確かに人っぽくなかった。




















『天使、だったのかも』






私は助けられたのかも。



















みゃぁ



















そうだと返事をするかのように、黒猫が鳴いた。












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