The god of death
虹を追いかけて
前日からずっと続いていた雨は、夕方になってやっと止んだ。
大学からの帰り道。
雨上がりの爽やかな風が頬を掠める。
『…あ』
それを見つけたのは本当に偶然だった。
雲の合間から差し込む光と合わさって見えた夕暮れがあまりにも美しくて、空をぐるっと見回したから。
天使でも舞い降りてきそう。
そんな事を思わせる風景だった。
その虹は、私の家とは反対方向に、途切れる事なく地上と地上に橋を架けていた。
私はなぜだか無性にそこへ行きたくなってしまった。
自分の足が方向を変えたのを、止めることが出来なかったんだ。
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