The god of death
『…ッ!』
ひかれる…!
危険を目前にとっさに目をつぶる。
直後に来る衝撃を覚悟した。
『………?』
衝撃は一向に訪れず、恐る恐る目を開けると、自分の体から数センチの所に車が止まっていた。
ブレーキ音も何も聞こえなかったのに…?
「怪我は無い?」
『え…』
突然すぐ後ろから声がした。
慌てて振り向くと、そこには銀髪の…忘れもしない、踏切で私の腕を引いて助けてくれた…
「命を無駄にするな」、そう言った男の人が立っていた。
『また…助けてくれた…』
「え?」
『前!…えっと、4日前くらいに、踏切で…助けてくれましたよね?』
「ああ…」
『アナタは、天使…?』
「…」
その人は変わらず碧い目で私を見て、柔らかい笑みを浮かべた。
やっぱりこの人は……
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