The god of death
「ああ、やっぱり壊れてる。こんなんじゃ保たなかったか」
『え?』
「ちょっとごめんね」
男の指が首もとを這う。
心臓が跳ね上がって硬直していると、指はすぐ離れ、その手にはどうやっても外れなかったあの石…ネックレスがあった。
『…触って、平気なんですか?』
「え?」
『私が触った時は、バチッて…』
「ああ…結界敷いてたから。自分以外外せないように」
『……』
何かがおかしい。
『…それをつけてくれたのは黒髪男で』
「黒髪男?はは、何それ」
『…えっと…髪の毛黒くて目が紅くて…意地悪そうな顔した、死神で』
「うん、それで?」
『だから…そいつがその石を、私につけてくれたんです』
「うん、そうだね」
『…何でアナタが外せたの?』
「え?」
『だってアナタは…』
この人は天使、アイツは死神だと言った。
なら、敵…なんじゃないの?
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