The god of death





『詐欺よ…』



「は?」



『次会ったらちゃんとお礼言おうって…思ってたのに』



「言えば?」



『アンタに言う礼なんてないもん!』



「はあ?」

















確かに感謝してる、してるけど!




…素敵な人に出会えたと思ったんだけどな。




人じゃないけど。
























『…あ、そう言えば何でここに居るの?』



「それ聞くの遅くねえか?」



『だっていろいろ戸惑って』



「まあ良いけど…ちょっと嫌な感じがして様子見に来たんだよ。したら案の定」



『?』



「お前死にそうになってるから。まあ未遂で助かった」



『石が護ってくれるんじゃなかったの?』



「護っただろう?…耐えきれず壊れたみたいだけどな」



















黒髪男が手を開くと、黒い石に大きな亀裂が生じていた。




ああ、だから。





















『…助けにきてくれたんだ?』



「死なせたらピーピーうるさそうだからな、お前」



『失礼ね!』



「取り敢えず引き上げるぞ。時間を止めすぎてる」



『え、時間止めたりも出来るの?!』



「序の口だこんなん」



『すごい…』



「人が無力すぎんだよ」



『…』


















そうかも、しれないけれど。







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