The god of death
時間が再び動き出した。
隣には涼しい顔をした黒髪の男が並んで歩いている。
「…ジロジロ見てんじゃねえ」
『…ねえ、アンタの姿って周りの人に見えてるの?』
「見えてる訳ねえだろ」
『だったらさ、最初からアンタがついてきてくれれば良かったんじゃない?』
「最初からそうしようとしてただろが」
『え、そうだったかな…』
「お前がジョシコウがどう、とか言って嫌がったんだろが」
『あー…』
そういやそうだ。
でも見えないんだって知ってたら…!
『…ん?じゃあ何、私、今一人で喋ってるように見えるって事?』
「あー、だな」
『うわ…』
道理でさっきから擦れ違う人の視線が気になるハズよね。
もうこれじゃ変人か可哀相な子じゃない…
『…』
「…」
『…』
「…」
無言だ。
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