The god of death
いつもの倍の時間を掛けて(…と言っても止まってた時間も含むからあまり大差ないのかもしれないけど)、やっと家に着いた。
『ふー…』
「そこどけ、俺の寝床だ」
『…床にでも座っときなさいよ』
「お前、俺は命の恩人だろが」
『…人じゃないじゃん』
「あん?」
あー…もう、いちいち怖いんだよ…
『…半分ね』
「…」
『どうぞ使ってください…』
「分かってきたじゃねえか」
何で私の家なのに私が床でヤツがソファーなんだ…
『ねえ…そう言えばさ』
「あん?」
『アンタの名前、聞いてなかったなー、って思って』
「名前?必要ねえだろ、んなモン」
『呼ぶのに困るじゃない』
「…呼ぶ必要がねえ」
『あたしはあるの!名前は?』
「…そんなもの、無い」
『無い?』
「…ンだよ」
『…なら、私が考えてあげる!』
「は?」
『クロ…んー、でも私は銀髪の時のアンタのが好きだしなー』
「…」
『じゃあギン!今日からギンって呼ぶね』
「何で?」
『え、もうひとりのアンタは綺麗な銀髪してるから。黒髪も悪かないけどね』
「…安直だな」
『…気に入らない?』
「勝手にしろ」
『うん!』
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