The god of death
次の日から、家の外もギンと私は行動を共にするようになった。
昨日の様々な件を含めてリアルに命の危険を感じた事、そしてギンが他の人には見えない事実から。
近くで守ってもらう事になった。
『…』
「…」
普通に距離を開ける事なく隣に並んでいるんだけど、人にはギンの姿が見えないと分かっていてもヒヤヒヤする。
特に学校は女子大だから、基本女の子しかいない。
私にはギンの存在を感じているし見えているけど、話しかけるのは不自然な事だし。
その状況に慣れるのに数日は掛かった。
『…』
「あ、止まれ」
『え、…っ!』
「よし。大丈夫だ」
『…』
何事もなくスタスタと歩きだすギン。
私は目の前には倒れてきた木材に体を固まらせてしまった。
「おい、帰るんだろ?」
『…』
帰るけど。
…呼び止められなければ自分の頭上に落ちていただろうソレを避け、ギンの後に続く。
『…淡々としやがって』
こっちは一つだけの命だって。
動揺もするわ。
「聞こえてんぞ」
『!』
もう…
心臓に悪い日々はまだまだ続きそうだ。
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