The god of death
『…と、言う訳だから』
「は?」
『は?じゃないよ。明日は外食するからご飯作らないよって言ってるの』
食べなくても良いんだから、わざわざギンに食事を作るのも面倒くさい。
そう思って、帰宅後改めてギンにそう告げた。
「外食って、昼間言ってた“ゴウコン”って所か?」
『そうそう』
「じゃあ俺もそこで食うし」
『や、あんたの姿他の人に見えないんでしょ?いきなり目の前から食べ物消えてったらホラーだから』
「んだよ、じゃあ家帰ったら鍋作れ」
『面倒』
「…」
『食べなくても死なないでしょ?』
「…明後日は鍋」
『あんた鍋好きね…分かった、明後日は鍋にする』
「なら許す」
『ありがと』
ちょっと申し訳なくなったけど、そう言えばギンと暮らし始めて夜に外食なんてしなかったからまあいっか。
…何だかんだ言って私の主張通してくれたし、優しいんだと思う。
「…なあ、ゴウコンって何料理だ?」
『え?…居酒屋?何料理だろ…大衆料理?』
「タイシュウ?」
『分かんない』
「へぇ」
合コンの説明をいちいちするのも面倒くさく、適当に流す。
本当、食べ物には関心あるよね。
私にもそれくらい興味持ってよ…深い意味は無いけど。
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