サクラナ
2学期が始まると、席替えがあり、
吉野はサクラナと同じ班になった。
弘子も同じ班だった。
同じ班になると各種当番や給食などが一緒になるので、
自然に吉野とサクラナが話す機会ができた。
しかし、最初のうちは、思うような話しは出来ず、
ぎこちない会話が続いた。
そのうち、中間試験が始まり、ある事件が起きた。
数学のテストの時間、試験官役の教師が尿意でももよおしたのか、
教室を離れたときのことである。
吉野の前の席にいた大野康夫が突然振り返り、
「吉野、答えを教えてくれよ。」
と言って、吉野の答案用紙を覗きこんだのである。
吉野は勉強は良くできたが、
なかでも数学には自信があったので、
すでに書き終えていた答案用紙を黙って差し出した。
すると、康夫と同じ考えを持っていたものが
数人康夫の所に集まり、吉野の答えを素早く書き写し、
自分の席に戻った。
しばらくして、試験官役の教師がすっきりした顔で教室に戻ったが、
その時は、吉野たちの行為を告げ口するものはいなかった。
試験が終わると康夫は叫んだ。
「やった、これで数学は満点だ。」
しかし、事態はそれで終わらなかった。
吉野たちの行為をどこからか聞き付けた隣のクラスのチクリンこと
佐藤知恵が告げ口をしたのだ。
吉野はサクラナと同じ班になった。
弘子も同じ班だった。
同じ班になると各種当番や給食などが一緒になるので、
自然に吉野とサクラナが話す機会ができた。
しかし、最初のうちは、思うような話しは出来ず、
ぎこちない会話が続いた。
そのうち、中間試験が始まり、ある事件が起きた。
数学のテストの時間、試験官役の教師が尿意でももよおしたのか、
教室を離れたときのことである。
吉野の前の席にいた大野康夫が突然振り返り、
「吉野、答えを教えてくれよ。」
と言って、吉野の答案用紙を覗きこんだのである。
吉野は勉強は良くできたが、
なかでも数学には自信があったので、
すでに書き終えていた答案用紙を黙って差し出した。
すると、康夫と同じ考えを持っていたものが
数人康夫の所に集まり、吉野の答えを素早く書き写し、
自分の席に戻った。
しばらくして、試験官役の教師がすっきりした顔で教室に戻ったが、
その時は、吉野たちの行為を告げ口するものはいなかった。
試験が終わると康夫は叫んだ。
「やった、これで数学は満点だ。」
しかし、事態はそれで終わらなかった。
吉野たちの行為をどこからか聞き付けた隣のクラスのチクリンこと
佐藤知恵が告げ口をしたのだ。