サクラナ
 日曜日になった。

 出陣の日である。

 由美には友人に会うと言って、
家を出た。

 サクラナの居場所が
大体どこにあるのかは、
前日までに地図で調べておいた。
 サクラナがいるという場所は
吉野がこれまで行ったことのない場所であり、
都内にしてはあまり耳慣れない場所であった。

 地図でみるかぎり、
その場所は**線の××駅から
7・800メートルの距離にあった。

 ××駅に着いた。

 そこは、小さな駅で改札を降りて見渡すと
商店が4・5あるくらいの閑散とした場所であった。

 駅からは道が3つに別れているが、
サクラナのいる場所は吉野から見て右の道であった。

 その道は車2台が通れるくらいの道幅で
路上はよく舗装されていた。
 
 吉野はその道を真っ直ぐに進んだ。
商店のあるところを過ぎると
 
 左右には50坪ぐらいの広さで
2階建ての小さめの民家がいくつか立ち並んでいた。

 『小規模な住宅街といったところだな。』

 吉野は一人ごとを言いながらその道をゆっくり進んだ。
吉野はこのあたりまでは思っていたより落ち着いていた。

 そして、
250メートルくらい進むと十字路にさしかかった。
(続く)
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