BLACK 〜それでも君に出会った〜
プロローグ
ねぇ‥
あなたは覚えていますか?

分かっていて‥くれますか?

あたし達、
確かに気持ちが通じ合っていたよね。

あなたが思ってたよりずっと‥

あたしは

あなたのコト愛していたんだよ。


あたしの頬を打ったあなたの心は‥
どれだけ痛かった?
どれだけ傷ついていた?
どんな悲鳴をあげていた?
どんな暗闇に包まれていた?

何も見えてなかった。
ずっと気付かずにいた。

弱くて、ごめんね‥。

今思えば‥
常識も、
世間体も、
あたしを取り巻く雑音なんて‥
たいしたコトじゃなかったのにね。


だけど、
過去を悔やんだりしない。

まだ、
あなたに
伝えていないコトがあるんだ‥。

いつもいつも、
心で唱えているよ。

この物語を‥
ちっぽけなあたしから
あなたに捧げます。
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