BLACK 〜それでも君に出会った〜
あたしは、正面に座っている浩司君と話す機会が必然的に増えた。

『結生ちゃんは、行きたい大学とか夢はあるの?』

「いえ、特には‥
正確に言うと、【あった】んです。
今はないし‥これからも見つからないかもしれません。
だけど、そんな人生でも悪くない気がしています。」

『傷ついてたんだね。
誰にも、気付いてもらえなかったの?』

(どうして‥!?)

「そんな事は‥。」

あたしは、ない、なんて言えなかった。

‥何故だか、言いたくなかったんだ‥。
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