BLACK 〜それでも君に出会った〜

二重生活。

次の日、
いつもの様に先生の呼び出しから逃げて、
制服のままで真の家に行った。

真はスウェットに着替えて、庭で煙草をふかしながら待っていてくれた。

「真!外で待っててくれたの?」

あたしは、とびきりの笑顔を見せて話し掛けた。

真は恥ずかしそうに目をそらしながら、

『まぁな‥。』

と答えた。
風に吹き飛ばされそうに小さな声だったけど、あたしの胸には確かに届いて、
何だか胸が締め付けられた。

真を愛しく思うほど、
罪悪感は膨らむのに、
浩司くんの姿が明確に頭に思い浮かんでは
あたしの頭に居座った。
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