BLACK 〜それでも君に出会った〜
真を愛しく思えば思うほどに‥
確かな罪悪感があたしを支配した。

それでも、浩司くんと切ろうとしなかったのは、

あたしは自分のスベテの欲望を満たしたかったから‥。

浩司くんを愛しているなんて‥
思い込んでいるだけだと、
とっくの昔に気付いていた。

あたしは、
地位や名誉や、お金‥
そんなモノを愛しく思って、
浩司くんを利用しているだけなんて
とっくの昔に気付いていた。

けれど、
気付かないフリをした。

あたしは二人ともを好きになって、罪悪感に襲われる子を演じていただけだった。

そんなに汚い自分を守る、唯一の手段だったから。
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