BLACK 〜それでも君に出会った〜
先生の目が恨めしそうに
あたしを捉えたのに
気付いていたけれど、
そんな事はもう、
今はどうだって良かった。


いずみと目が合った。

出会って二回目に交わした視線の先で、
あたし達は皮肉ったように見つめ合った後
微笑みを交わし合った。

先生があたしを指さして、

「あなたも化粧なんかして!
一緒に残りなさい。」

と言っていた。

あたしは、出来る限り
神妙な顔をして
はい、と返事をしてみたものの、
今更無駄だった。
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