BLACK 〜それでも君に出会った〜
『私は、生徒指導の雨宮だ。
君達は、校則の意味を分かっているのかね。』

誰も、答える人はいなかった。

あたしの視線の端は、担任が満足気な表情を浮かべたのを捉えた。

雨宮先生は、あたし達に

社会にはルールがあって、
規則がある。
規則があるからこそ、我々には自由を感じられるのだ。

と言う話を執拗に語り続けた。

自分の話に感激するなよ‥くらいにしか、
この時は思わなかった。
何も胸に響かなかった。

あの頃は、
あたしが上手く生きられないのは、
汚れた世界のせいだと思い込んでいたから‥

未来の光が見えないのは、
立ちふさがった大人達に
遮られているせいだと思っていたから‥

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