BLACK 〜それでも君に出会った〜
4人で階段を降りていると、

『もー、
雨宮、話しながら唾とばすんだけど!!
きったねー。
ねぇ、みんな何て名前?
あたし、茉莉。大野茉莉。』

‥‥。

あたしは、しばし唖然とした。

そして、まじまじと茉莉を見つめた。

(今、この子がじゃべったんだよね?)

大きな瞳に、
ベイビーフェイス。
さぞかし可愛らしい性格の持ち主なんだろう‥
と、勝手にイメージを作り上げていた女の子が、
ハスキーボイスの上に、
とても上品とは言えない口調で話し始めたのだ。

あたしはこの時、
人のイメージがいかに当てにならないかを
思い知った。
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