BLACK 〜それでも君に出会った〜
一時間目が終わると同時に、
茉莉が教室に走り込んできた。

『なんて言われた?』

「あー‥
授業後教室に残れってさ。」

『えー!!あたし、朝からグチグチ言われんだけど。武藤恐いよ。
もちろん居残りだしねー。遥香もだって。』

武藤とは茉莉のクラスの担任で、角張った体格の体育教師だ。

『もちろん‥エスケープでしょ?』

いずみが当たり前のように表情を変えずに行った。

あたし達三人は、
ニヤリと笑い合い、

『『「もちろん!」』』

と同意した。

『じゃぁ、授業後のホームルームからサボろう♪下駄箱で待ち合わせで!』

「了解。」

あたし達の
こういう時の団結力は
素晴らしい。

みんな自分第一主義を公言し、

危険な目に合った時はお互い自分の事だけ考えて逃げのが、
最終的に全員助かる事につながるに違いない!

と言い合っていた。
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