BLACK 〜それでも君に出会った〜
茉莉は、
すでに親しげに喋りかけていて、
あたし達の紹介を済ませた。

基本的に物怖じしない性格なのだ。

『S校とかお嬢様の上に秀才じゃん。
そんな人とお近づきになれて嬉しいわ!
友達に自慢したる!!』

‥うちの学校は、
少なくともこの県の中では
ブランド化している学校だった。

あたしは、
学歴だとか容姿だとか、
経済力だとか‥

そんなバカらしいモノを重要だと思ったことは
この時まで一度もなかった。

父はそれなりの規模の会社を経営しており、
並以上の経済力があったからこそ
高い月謝のスケートも余裕で出来たし、
とても頭のいい人だ。

それを凄いとも
特別だとも、
何とも思ってなかった。

‥だけど‥
あたしは、真達との出会いで、

【ステイタス】が
世の中から見て
どれ程価値があるのかを‥

学んでしまった。
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