嘘×恋
奈央は,びっくりした顔をして鞄から鏡を出して
首を見た。
「あ……!!」
奈央は首のキスマークを
見つけて,何となく顔が赤くなっていた。
その顔に腹が立った。
奈央にじゃなくて,キスマークつけた相手に。
「べつに…誰だっていいでしょ」
奈央は,そう言うと立ち去ろうとしたから,握っていた手を,また強く握った。
「…痛っ…!!」
奈央は痛みに顔を歪める。
「…誰だって聞いてるんだよ…っ…!!」
「…っ…!!」
「……いっ…いやぁ…!!」
そう怯えた顔をすると
奈央は逃げていった。
くそっ!!