嘘×恋
――2年前―――
あの日,俺は
この高校に赴任して,
当時1年生だった
奈央のクラスの担任になった。
「はじめまして。
相沢淳也と言います。」
初めて見る顔にドキドキしていた俺は自分の自己紹介と,次の日の連絡をして,
ホームルームを終わらせた
「あの…
相沢先生??」
そう言って,声をかけてきたのは奈央だった。
「あ…えっと…??」
「あ。
あたし,青山奈央っていいます」
笑顔で自己紹介をしてくれた奈央は,不覚にもドキッとした。
「青山か。よろしくな」
「はい!!」
あのときの奈央は,汚れを知らない純粋な笑顔を持っていた。